「スーホの白い馬」あそびい横浜-おうちで遊ぶ絵本の本棚(小学生)
「スーホの白い馬」あそびい横浜-おうちで遊ぶ絵本の本棚(小学生)(6月第3週)
【ストーリー】
モンゴルの草原にスーホという貧しい羊飼いが住んでいました。スーホはおばあさんと二人暮らしのよく働く少年でした。
ある日、スーホは白い子馬と出会い連れて帰ります。その白い馬はスーホが心を込めて世話をしたので誰もがみとれるほどの立派な馬に成長しました。
月日は流れ、ある年の春、町で競馬の大会が開かれることになりスーホも出場することにしました。競馬大会ではスーホの白い馬は見事優勝しますが、とのさまに白い馬を取りあげられてしまいます。
取り返そうとするスーホはとのさまの家来からひどい仕打ちにあい命からがら家にたどりつきます。しかし、白い馬と別れた悲しみが癒えることはありませんでした。
そのころ、白い馬はとのさまを振り落として逃げ出します。やっとの思いでスーホの元に戻りましたが、逃げ出した時に放たれた矢の傷により翌日死んでしまいます。
スーホは悲しみのあまりいく晩も眠れませんでしたがやっと眠りこんだ時、夢の中に白い馬が現れて「わたしの骨や皮やすじや毛を使って楽器を作ってください。そうすればわたしはいつまでもあなたのそばにいられます。」と言います。
こうしてできた楽器が聞く人の心を揺り動かす馬頭琴です。
【馬頭琴】
モンゴルには馬頭琴という楽器があります。楽器のいちばん上が馬の形をしているので馬頭琴と言われるそうです。
この楽器は2000年以上の歴史があり馬頭琴を弾くとその家に幸福が訪れると言われています。
この馬頭琴がどうしてできたのか?それにまつわる話が「スーホの白い馬」です。
もしも、機会がありましたら馬頭琴の音色がどんなか調べてみるのも勉強になりますね。
【スーホと馬の絆】
さて、残念ながら「スーホの白い馬」はハッピーエンドではありません。
それでも読んだ後に幸せだなと思えるのは死んでしまった馬の骨や皮やすじや毛を使って楽器を作り「永遠の時」を手に入れることができたからです。
スーホと馬との深い結びつきに切なさと勇気を読み取れる感動の物語です。
しっかりとした内容と感情の動き。
小学生のお子さんとなら、どんなふうに感じ、どう感動したかなど親子で語り合って読み深めるのに最適な1冊ではないかと思います。
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内容は執筆時点のものです。